特等席〜私だけが知っている彼〜
「怖がらせてしまったお詫び」

「怖がらせたって……私を怖がらせたてたのはあの記者の人でしょ?」

椿芽がそう言うと、「やっぱり違う」と言いながら五十鈴は椿芽の両頬を優しく包む。その顔はどこか恥ずかしげだった。

「俺のかっこいい姿、いっぱい見てほしいから」

「行かないわけないじゃない!」

椿芽がそう言うと、また五十鈴に抱き締められる。彼がファンには決して見せない甘える姿だ。

アイドルな彼は、幼なじみにしか甘えることはしない。それは、彼女しか知らない特別な一面なのだ。








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