恋人らしいこと、しよ?
「うん! あ、お出かけデートは来週でもいい? お母さんが水族館の割引券くれたの。卒業祝いに友達と行きなさいって」
「いいけど、友達と行かなくていいのか?」
「うん、聞いてみたらショッピングの方がいいって言われちゃって」
そんな風に予定を決めていくだけでもワクワクしてくる。
初めての晴樹との水族館デートだ。
って、喜んだけれど……。
次の瞬間、フッと寂しい考えが過ぎる。
初めての晴樹との水族館デート。
そしてそれは最後でもある。
ワクワクしていた気分が、冬の風に吹かれて飛んで行ってしまったかのような感覚。
その冷たく寂しい感覚を振り払うようにわたしは頭を振った。
「って、何やってんだよ美穂。俺の話聞いてた?」
「え? あ、ごめん。何て言ったんだっけ?」
自分の中の寂しさを振り払うのに必死で、晴樹の言葉を聞き流していた。
「はぁ……だから」
ため息をつきつつもう一度同じことを言ってくれようとする晴樹は、持っていた紙の一番上の文字を指で差す。
「とりあえず……ハグ、してみる?って」
「……ハグ?……っこ、ここで!?」
今は放課後であまり人はいない教室。
でも、いつだれが来るか分からない場所。
「いいけど、友達と行かなくていいのか?」
「うん、聞いてみたらショッピングの方がいいって言われちゃって」
そんな風に予定を決めていくだけでもワクワクしてくる。
初めての晴樹との水族館デートだ。
って、喜んだけれど……。
次の瞬間、フッと寂しい考えが過ぎる。
初めての晴樹との水族館デート。
そしてそれは最後でもある。
ワクワクしていた気分が、冬の風に吹かれて飛んで行ってしまったかのような感覚。
その冷たく寂しい感覚を振り払うようにわたしは頭を振った。
「って、何やってんだよ美穂。俺の話聞いてた?」
「え? あ、ごめん。何て言ったんだっけ?」
自分の中の寂しさを振り払うのに必死で、晴樹の言葉を聞き流していた。
「はぁ……だから」
ため息をつきつつもう一度同じことを言ってくれようとする晴樹は、持っていた紙の一番上の文字を指で差す。
「とりあえず……ハグ、してみる?って」
「……ハグ?……っこ、ここで!?」
今は放課後であまり人はいない教室。
でも、いつだれが来るか分からない場所。