涙ノ結晶
私の声が出なくなった原因は、親友の唯だった。
中学の頃は、それなりに友達もいたし、学校も楽しかった。
・・・けど。
唯が好きだった先輩が、私の事を好きだと言った。
あの瞬間、唯は私という人間を切り捨てた。
「唯っ・・待って!私も知らなかったの!」
「ついて来ないでよ!」
「唯!」
そうして、唯の口から私の運命を変える言葉が。
『その汚い口で私の名前を呼ばないで。』
・・・え?
私たち、ついさっきまで友達だったよね?
なんで、そんな事をいうの?
先輩が、私の事を好きといったから?
でも私、別に付き合ってる訳じゃないし
私は先輩より唯の方が好きだよ?
ねぇ、なんで
なんで私はこんなに泣いてるの?
私は、頭が真っ白になって。
足の力が抜けてそこから動けなかった。
ただ呆然と唯がいなくなった廊下で、一人泣いていた。
それはもう、涙が枯れる位に。
その位、唯が大好きだった。
・・だから。
大好きな唯が嫌なら、私は話すことをやめよう。
そう思って話すことを「やめた」んだ。