スカーレットの悪女
「ええっ!!?」


マジ!?この広い部屋でその距離感なんなの?


ちょっと待って、思いのほか仲良くなってるんだけど!


目も合わせてくれないって話じゃなかったの?


思わず大声を上げてリビングに入る。


すると志勇は物凄い形相で私を睨み、人差し指を立てて静かに、と促してきた。


え、怖っ。そんな顔しなくっていいじゃん。



「壱華、大丈夫だ」



ところが、志勇の心配そうな声に冷静さを取り戻した。


近づくと、壱華の頬には涙が伝っている。


なんで?どうして壱華が泣いてるの?
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