スカーレットの悪女
「最凶お嬢は健在か……」

「は?颯馬何か言った?」

「何も言ってなーい」


颯馬もぼそっと呟いたら睨まれてた。


でも涼ちゃんと目が合って嬉しそうで、今でも好きなんだと思ったら余計なお世話だけど応援したくなった。



「みーちゃん、あと1週間で退院だってね、来てくれてありがと」

「涼ちゃん……」


家の中に案内して、応接間のような場所に連れてきてくれた涼ちゃんは優しく笑いかけてくれた。


なんてあったかい笑顔なんだろう。


私は今日、ある作戦のためにここに来た。


同情を誘おうと嘘泣きするつもりが、本当に涙が出てきた。
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