スカーレットの悪女
「これからどうするの?住むところは?」



近況を報告した後、涼ちゃんが眉を下げて心配そうな顔で訊いてきた。


その質問を受けてハッとした。


そうだ、涼ちゃんのぬくもりに邪心が溶かされてすっかり作戦忘れてた。



「うーん、実家はセキュリティ甘いからもう帰りたくないかも。
志勇の家広いから一部屋くらい借りれないかな」

「無理無理、兄貴は壱華ちゃん独占したいらしいから」



ちらっと颯馬を見ると、首を横に激しく振って無理だと告げられた。


それを聞いておおげさに肩を落としてため息をつく。


すると、涼ちゃんにガシッと肩を掴まれた。



「じゃあ、うちに来る!?」
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