スカーレットの悪女
志勇はリビングを飛び出した壱華を追いかけて出ていった。


そして嫌いって言われて気にしてんのウケる。


本当に壱華の前では別人だな。


壱華のこと大好きってのが伝わってきて喜ばしいはずなんだけど、妹としてジェラシーを感じる。


壱華の一番は私だもん!志勇にその座を明け渡したくない。



「だめだ、トイレに篭城した」



壱華が完全に志勇に絆されたらやだなぁと思ったけど、しばらくすると志勇だけリビングに戻ってきた。


ふふ、やはり壱華は一筋縄じゃいかないようだ。



「そりゃ軟禁状態じゃストレス溜まるよね」

「馬鹿言え、学校はちゃんと行かせてる」

「……えっ」



不敵な笑みを浮かべて勝ち誇った気でいたけど、志勇の発言に驚いた。


壱華、日本中のヤクザに狙われてるのに学校行ってるの!?


それって大丈夫なわけ!?
< 123 / 807 >

この作品をシェア

pagetop