スカーレットの悪女
「あのさ、無理しなくていいから」



そんな私を見かねて声をかけてきたのは、私の監視という名目の下、潮崎組に現れた颯馬だった。



「うっそでしょ、颯馬さんが私のこと心配してるんだけど!?」

「人のことなんだと思ってんだよ」

「血も涙もないヤクザ」

「あながち間違ってないけどさ、いくらみーちゃんが了解したからとはいえ、危険に巻き込むなんて兄貴もやりすぎだろと思って」



割と真面目な話をしてるのに、みーちゃん呼びは決して変えない颯馬。


違和感しかなかったのに、2か月も経てば慣れてしまった。
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