スカーレットの悪女
「颯馬さんも、なんだかんだ心配してくれてありがとう」

「勘違いするなよ。死んだら後味悪いから、それだけ」



すっかりへそを曲げた颯馬はひねくれた発言をしたけど、気持ちは伝わった。


なんだ、性格悪いって思ってたけどちゃんと人の心あるんじゃん!


私は感動してギュッと目をつぶった。



「……涼ちゃんとの結婚式は絶対行くから。私、絶対友人代表スピーチするんだから」



これなら涼ちゃんを任せられる。


早くヨリを戻して結婚してくれたまえ。


そう、未来を知っている私は、颯馬が涼ちゃんとくっついて幸せな家庭を築くことを知っている。


知った上で飛躍した妄想をしてしまった。


当然「何の話だよ」と笑われたけど、嫌な気はしなかった。
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