スカーレットの悪女
「そうだよ、戸籍上私は壱華の妹なのでぇ〜。法的な繋がりのない彼氏のあんたより立場は上ですけどぉ」

「いずれは夫になるんだ、残念だったな」

「それでも壱華の1番は私なんだから！」

「2人ともぉ、こんなとこで言い争うなよ。まーじでダルいって」



食ってかかると返り討ちにされる。


悔しいけど、颯馬が物理的に間に割って入ってきてそれ以上口論できなくなった。



「志勇、実莉、行こうよ」




一歩も進まないから、組員から凝視されて壱華は困ってる。




「何をチラチラ見てんだ。気になる男でも見つけたか。俺の存在を差し置いてよくそんなことができるな」

「違う、そんなことしてない。志勇のことしか考えてないからっ」


「ふん、そうか。ククッ……」


志勇に顔を近づけられた壱華は、早口にそう言った後に頬を赤く染めた。
< 145 / 809 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop