スカーレットの悪女
さすが壱華、私に負けず劣らずシスコンなんだから。


「ふん、だってよ」

「チッ……ああ、分かった。こうすりゃ逃げねえな」



志勇の口調を真似して肘で小突いたら、思いっきり私を睨みつけて舌打ちした志勇。


負け惜しみなのになんて迫力。


志勇は納得がいかないのか、今度は壱華の腰を抱いて密着するように引き寄せた。





「うわ!おいおい見ろっ」

「若が、あの若が、エスコートしてんぞ……」



本家の男たちは騒然と志勇と壱華の後ろ姿を見つめた。


やっと進んだかと私も移動を始めたけど、どうも釈然としない。


さっき言ってた黒帝の参謀ってどういうこと?


まあいいや、本家にも最近まで黒帝で活動してたがいるから、探し出して聞いてみよっと。
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