スカーレットの悪女
かくして長い廊下を歩いて応接間までやってきた。


応接間は襖から金がかかっていて、黒塗の襖に金箔が散りばめられていた。



「司水です。連れて参りました」

「……入れ」



司水さんが声をかけると、深みのある男の声が奥から聞こえた。


ふう、ついに荒瀬組のトップと対面することになるのか。


やばい、緊張してきた。



「なんで緊張してんだ。お前はオマケだから後からおふくろに会え」



司水さんが襖に手をかけた時、なぜか志勇が話かけてきた。


は?ここまで来たんだから私も今から会うんじゃなくて?



「え、オマケとは?」

「お前は俺たちの話が終わるまで子守りでもしてろ」

「子守りって何!?」



命令口調で吐き捨てた志勇は自分で襖を開け、壱華だけ連れて中に入っていった。

え、追い出された?

てっきり3人で対談すると思ったのに!
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