スカーレットの悪女
「申し訳ありません、志勇は昔から独占欲が異常でして。しばらく本家を散策してください。ではまた」



司水さんは申し訳なさそうな顔をしながら、応接間に入っていく。


ええ、知ってますよ。壱華への執着が異常ってことくらい。


でも蚊帳の外にされるのは悔しい。



「今に見てろ志勇め……私の壱華を独占しようなんてただじゃおかない。ギャフンと言わせてやる」

「みーちゃん、思ってること声に出てるから」

「……あれ」



襖を睨みつけていたら、どうやら声に出ていたいたらしい。

颯馬は隣で苦笑いしていた。
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