スカーレットの悪女
「みーちゃんと話すの楽しい。兄貴がちょっかいかけたがる気持ち分かったかも」

「げっ、颯馬さんは志勇みたいにだる絡みして来ないでよね」

「だる絡みとかやめてやれよ。良かれと思って話しかけてるつもりなのに、兄貴が悲しむって」

「じゃ、これはオフレコで」



笑いあって、ずいぶん打ち解けたなと安心した。


これならいずれ来る困難に備えて考えた“私の計画”にも賛同してくれるかもしれない。


今はとにかく、味方を集めることが大切だ。


志勇に壱華を取られて悔しいなんて地団駄を踏んでる場合じゃない。


シンデレラに降りかかる悲運は、私が絶対変えてみせる。


きっとそれが、私がこの世界に生を受けた意味だから。


さて、そろそろ真剣に動き出そうか。
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