スカーレットの悪女
「急に難しい顔してどうした?」



今後の計画について考えていると、颯馬が不思議そうに首を傾げる。


あれ、こんなちょっとした変化につっこんでくる男だったっけ。


出会った頃はあんなに煙たがってたくせに、今は心境の移り変わりに気がついてくれるんた。



「あのさ、話変わるけど子守りって?」



でも、私の本心を悟られるわけにはいかない。


話題変換を試みた。すると颯馬は「ああ、ユウガのことだよ」そう呟いた。


ユウガ……あ、思い出した!漢字で書くと『憂雅』だ。憂って漢字を名前に使うのは珍しいなと思ったのを覚えてる。



「司水の息子が超わんぱくでさ。まだ3歳なんだけど、兄貴でも手を焼くレベルだから、なんとなくみーちゃんと似てるかも」

「司水さんの子どもとか絶対かわいいじゃん」

「あんまり似てないけどね」



間違いなくかわいいだろうな、とニヤニヤしていたら、なんか遠回しにディスられた気がする。


私、3歳児と同じ扱いされてない!?
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