スカーレットの悪女
「そのリボンも懐かしい。今でも似合ってるね」

「うん、この色が好きなの。みんな似合ってるって褒めてくれるんだ」



壱華は必ず、私に赤いアクセサリーをプレゼントしてくれる。


真っ赤ではなくて、ほんの少しオレンジがかった赤色。


その色のチョイスが私は好きだった。



「その色はね、スカーレットっていうんだよ」

「スカーレット?」

「スカーレットセージ……緋衣草を意識してるの」

「ヒゴロモソウ?」



すると、初めて語ってくれた色の秘密。


知らない単語だらけで疑問ばっかりだ。


けど、別に私が無知なんじゃない、壱華が博識なだけ。
< 16 / 821 >

この作品をシェア

pagetop