スカーレットの悪女
近づいてきたその子は、3歳なのに鼻筋が通っていて、目の虹彩がヘーゼル色をしていた。


あれ、憂雅くんってハーフの設定だったっけ?



「颯馬だっこ」

「えー、やだ。憂雅泥だらけじゃん」

「うん、どろだんごつくってた、ほら」



颯馬さんにだっこを断られても、誇らしげに手に持っていた泥団子を掲げる。


顔のパーツのバランスが天才的に整ってる。信じられない、荒瀬って3歳児すらイケメンなの!?



「で、みーちゃんはなんで固まってんの?」



憂雅くんを観察していると、颯馬が肘でつついてきた。


その瞬間、風船に針を刺したごとく、私の感情が爆発した。



「イケメンじゃん!この歳でこんなに整ってるとか、将来を約束されたイケメンじゃんか!荒瀬組末恐ろしい!」

「急にうるさいな」



颯馬は至極めんどくさそうに目を細めてツッコミを入れた。


仕方ないじゃん、3歳児でこんなに整った子みたの初めてだし。
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