スカーレットの悪女
「なんだよ、それって俺が答えられる質問か?」

「“黒帝の参謀”って何?」



志勇と司水さんの登場は予想外だったけど、耳に入ったって困る疑問じゃない。


今日、本家の人たちにそう噂されたのが気になっただけだ。



「お前の通り名みてぇなもんだよ。
知らなかったのか?理叶と光冴が、黒帝の連中に実莉との関係性を訊かれてそう言ってたらしい。
安心しな、実莉は潮崎に守られてるから、直接害が及ぶことはねえよ」

「知らなかった。教えてくれてありがとう」

「おう、聞きたいことはそれだけか」

「うん、それだけ。あと個人的に力さんに会いたかった!」

「そうかよ」



力さんは質問に答えてくれた後、私の頭をわしわし撫でた。


少し雑な撫で方だけど、大きな手で撫でられるとパパを思い出して安心する。


顔を上げると「元気そうでよかったよ」と笑いかけてきた。


力さんは無表情の時は主張しない薄い顔だけど、笑うと塩系のイケメンが出現する。


笑顔が素敵っていいよね。
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