スカーレットの悪女
「こう見えて泥団子作るの得意なんだから!見て、これ私の最高傑作」



私は自分のスマホから、小学生の時作って家に飾っていたピッカピカの泥団子の写真を見せた。



「ひかってる!」

「すごいでしょ?」

「どうやったらこんなにピカピカになるの?」

「教えてあげるからついておいで!」




中庭に置いてあったスリッパを勝手に拝借し、庭に下りて泥団子の作り方を伝授することにした。



「見た目と性格が一致しねえだろ」

「なんとも……活発な子ですね」

「あれでも頭が切れるんだ」

「志勇がそう言うのならそうでしょうね」



さっさと壱華が待ってる部屋に行けばいいのに、志勇は私を観察して司水さんに笑いかける。


え、明日雨でも降るかな。志勇が壱華じゃなくて私のこと褒めてる。


2人の様子を伺っていると、司水さんは私に対して優しく微笑んでくれた。


どこかパパを思い浮かべる、ぬくもりのある眼差しだった。
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