スカーレットの悪女
しまった、こんなことをしてる場合じゃなかった。
自分の保身ばかりで忘れてた。
荒瀬組の組長は、壱華をよく思ってないってこと。
それは壱華の生い立ちが起因していることだけど、壱華に対しての扱いはかなり酷かったのを思い出した。
「壱華は大丈夫なの?」
「おふくろが守るさ。壱華をいたく気に入ってるようだからな。
むしろ態度の悪い親父と早々に引き離せてよかった」
「それで、組長は今どこに?」
「……そろそろ応接間に戻るだろうな。
俺は壱華を連れて帰るから、おふくろの相手頼んだぞ。チッ、あのクソ親父が」
志勇は大きな舌打ちをして、司水さんを連れ踵を返す。
「待って」
「あ?」
「志勇は、壱華を西に送れって命令されてなんて言ったの?」
私は引き止め、その背中に語りかけた。
自分の保身ばかりで忘れてた。
荒瀬組の組長は、壱華をよく思ってないってこと。
それは壱華の生い立ちが起因していることだけど、壱華に対しての扱いはかなり酷かったのを思い出した。
「壱華は大丈夫なの?」
「おふくろが守るさ。壱華をいたく気に入ってるようだからな。
むしろ態度の悪い親父と早々に引き離せてよかった」
「それで、組長は今どこに?」
「……そろそろ応接間に戻るだろうな。
俺は壱華を連れて帰るから、おふくろの相手頼んだぞ。チッ、あのクソ親父が」
志勇は大きな舌打ちをして、司水さんを連れ踵を返す。
「待って」
「あ?」
「志勇は、壱華を西に送れって命令されてなんて言ったの?」
私は引き止め、その背中に語りかけた。