スカーレットの悪女
「神木の会長にも感謝されたよ、自分たちはどうなってもいいけど、息子たちだけが気がかりだったって」

「そっか……両親は薄々気がついてたんだ」



光冴の言葉にうつむく。


やっぱり、神木会はいつ切り捨てられるか分からない恐怖と戦っていたんだ。


原作では書かれなかった脇役たちの裏側。


でも転生したこの世界では脇役なんて存在しない。


みんな生きている人間だから見過ごすわけにはいかない。


きっと手を差し伸べたことは間違いじゃないと自分に言い聞かせた。



「……どういう状況?」



胸板サンドに挟まれて真剣に考えていたその時、背後から男の声がした。


この気配のない感じ、絶対颯馬だ!
< 195 / 809 >

この作品をシェア

pagetop