スカーレットの悪女
「黒帝で神木会会長の息子たちを囲ってる。長男の優人は元々黒帝の幹部の友達だったから」

「神木を?なぜ?」

「神木は東京近郊の極山会系の組織だよ」

「知ってるさ、ずいぶん前に廃れた組じゃねえか」



けど、みーちゃんはおっかない顔で詰め寄る兄貴に淡々と説明している。


後ろの理叶と光冴はヒヤヒヤした顔で観察してんのに。


分かるよ、みーちゃんやけに肝が座ってるから、事の重大さ分かってんのかなって不安になるよな。



「そうだよ、だから極山からすれば切り捨てるにはちょうどいい存在なの」

「なぜ神木を切り捨てると推測した?」

「だって志勇、北と西の要請をずっと断り続けてるんでしょ?西は壱華が無事であれば手は出してこないだろうけど、気の短い極山はもう限界だよ」



けどみーちゃんは、そういう時決まって肝要な問題点を指摘してくる。


それは上層部しか知らないはずのトップシークレット。


提供元はたぶん祥一郎さんかなって思うけど、あの人からよく情報を聞き出せたもんだ。
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