スカーレットの悪女
「死んじゃダメだよ、みーちゃんは俺と涼の結婚式でスピーチするんだろ?」

「あったりまえよ!友人代表スピーチの座は譲らない!」

「実現させるように頑張るから」

「うん!約束ね!」



保証のない未来への約束を誘導すると、みーちゃんはみるみる笑顔になった。


まったく、こういうとこは年相応なんだよな。


確認して安心したから、その後は兄貴と一緒に応接間を出た。


潮崎を出たら兄貴に「涼とより戻してもねえのに結婚とか気持ち悪いな」って言われた。


だから俺は実莉よろしく「壱華ちゃんに言いつけてやる」と兄貴を脅しておいた。


兄貴は露骨にうろたえて気分が良かった。
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