スカーレットの悪女
いつも客人を招き入れる応接間。


神木兄弟は身を寄せ合うようにソファに座って、理叶の顔をじっと見つめている。


優人が18歳、凛太郎が13歳って言ったっけ。


見れば見るほど、年相応な少年たち。


特に優人は、極悪非道な組織の捨て駒にされる前に助け出すことができて本当に良かった。



「これからは親元を離れて潮崎で暮らしながら各々学校に通ってもらう」

「……分かりました」

「両親にはもう会えないんですか」



兄の優人は、自らに降りかかる危機を察していたから素直に従った。


その一方で、弟の凛太郎は理叶の顔をまっすぐ見て質問する。


理叶の後ろで様子を伺っていた私と光冴は顔を見合わせた。
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