スカーレットの悪女
理叶は暴走族の総長で、ヤクザの組長の息子。
当然風格があるから初対面では理叶を怖いと感じるのが一般的だと思う。
そんな理叶の顔をまっすぐ見つめ、質問を繰り出す凛太郎。
まさかそこまで度量のある少年だとは思っていなかった。
「お前たちは安全を保証する代わりに荒瀬の所有物という扱いになる。二度と会えないというわけではないが、事が落ち着くまではここにいてもらう」
「それって、いつまで?」
「極山が手を出してくれば、抗争はより早く始まるだろうな」
再び問いかけた弟に、優人は「凛太郎、落ち着いて」と忠告するような厳しさを含んだ声をかける。
「最後にひとつ、聞いてもいいですか」
しかし凛太郎は理叶から目を逸らさなかった。
理叶は短くなんだ、と聞き返すと、凛太郎は膝の上に置いていた拳をぎゅっと握った。
「抗争の火種になる要因を、“相川壱華”をどうして差し出さないんですか」
当然風格があるから初対面では理叶を怖いと感じるのが一般的だと思う。
そんな理叶の顔をまっすぐ見つめ、質問を繰り出す凛太郎。
まさかそこまで度量のある少年だとは思っていなかった。
「お前たちは安全を保証する代わりに荒瀬の所有物という扱いになる。二度と会えないというわけではないが、事が落ち着くまではここにいてもらう」
「それって、いつまで?」
「極山が手を出してくれば、抗争はより早く始まるだろうな」
再び問いかけた弟に、優人は「凛太郎、落ち着いて」と忠告するような厳しさを含んだ声をかける。
「最後にひとつ、聞いてもいいですか」
しかし凛太郎は理叶から目を逸らさなかった。
理叶は短くなんだ、と聞き返すと、凛太郎は膝の上に置いていた拳をぎゅっと握った。
「抗争の火種になる要因を、“相川壱華”をどうして差し出さないんですか」