スカーレットの悪女
まさかその質問を投げかけられるとは思わず、私たち3人は目を丸くした。


侮っていた。神木凛太郎は後に、荒瀬組幹部団体の若頭になる男だ。


この時期から度胸が人並外れているなんて。


なるほどね、理解出来た。


そりゃあ最終的に剛さんや颯馬と並ぶ志勇のお気に入りになるわけだよ。


今のうちに仲良くなって、壱華の味方につけたいな。


私はひとりほくそ笑んで、野心とともに理叶の隣に座った。



「差し出せないんだよ志勇は。もうその段階まで進んでしまっている」

「どういうこと、ですか?」



不敵な笑みを浮かべる謎の女。確かに身構えて当然だ。


でも、勘違いしないで欲しい。



「私の愛する超絶かわいいお姉ちゃんに志勇が惚れちゃって、もう手放せないってわけ」



私はただの、家族が大好きな年並みの女の子なんだから。
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