スカーレットの悪女
「ふう、スッキリした」



顔を上げると、私の奇行に慣れっこな理叶と光冴はいつも通りの呆れ気味の目を向けてる。


神木兄弟は私を凝視していて、言葉にしなくても“ヤバいやつだ”と思われているのは伝わった。



「ねえ、袖に涙の跡ついてんだけど!」



すると、突然光冴が理叶の肩を掴んで声を発した。


見ると、理叶が着ている白いシャツの袖が私の涙で湿っている。



「あれ?ごめんね理叶!」

「しかもラメついてね!?」



しかも、ピンクのアイシャドウが付着してしまった。


まずい、理叶の服を汚してしまった!


理叶は許してくれるけど、これを潮崎の組員に見られたらあらぬ疑いをかけられてしまう!
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