スカーレットの悪女
今日は本家に一旦集合して、その後壱華と買い物に行く予定。


志勇は仕事らしいから正真正銘ふたりきりだ。


護衛の人はついて来るだろうけど、志勇ほどちょっかいかけて来たり邪魔はしないはずだから存分に壱華に甘えられる。



「俺、本当について行って大丈夫ですか?」

「仕方ないよ、憂雅くんのこと誰も見れないって言うから。凛もどうせ暇でしょ?」

「どうせとか言わないでください。実莉さんは万年暇のくせに」

「ふーん、バチバチに煽るじゃん、喧嘩売ってる?」

「俺が生意気なのは今に始まった話じゃないですよ」



今日はいろいろ事情があって、凛太郎も本家に一緒に連れていくことにした。


本家に向かう車の中、運転手のおじさんに微笑ましく見守られながら後部座席で生意気合戦を繰り広げる。


まったく、減らず口な私より口が達者なんだから。


そりゃいずれヤクザの若頭にもなるはずだよ。
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