スカーレットの悪女
本家に到着し、壱華がひとりで待機しているらしい応接間に凛太郎と一緒に向かった。



「壱華の今日の服、白か黒かで賭けよう。それ以外だったら引き分けね」

「めっちゃくだらないですね」



長い廊下を歩きながら賭けを持ちかけた。


はいはい、そういう反応すると思ったよ。



「凛が勝ったら潮崎での雑用1日なしね」



でも、こう言えば賭けに乗るでしょ。


神木兄弟はタダで寝泊まりさせてもらってる代わりに、お風呂掃除や庭掃除など簡単な雑用をしている。


それがなくなるなら安いもんでしょ。



「じゃあ白で」

「うわっ、現金なヤツ。まあたぶん黒だけど」



案の定乗ってきた凛太郎と話しながら黒地に金箔が散りばめられた襖が特徴の応接間までたどり着いた。
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