スカーレットの悪女
「あいたっ!」



ところが、天罰がくだったのは私の方だった。


頭頂部にゴン、と鈍い痛みを感じてとっさに頭を押さえた。



「声がでかい、若に聞かれたらどうすんだ」



頭を押えながら声のした方を見ると、剛さんが眉間にしわを寄せて立っていた


そして保っている手の形状から、チョップされたんだと分かった。


ちょっと剛さん!これ以上身長が縮んだらどうしてくれんの。


そもそも、全部志勇が悪いんだから。



「どうもこうもないです!急所に一発蹴り食らわせてやる!」

「お前の短い足じゃ俺の股間まで届かねえだろ」



意気込んだその時、憎き志勇の声が背後から聞こえた。
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