スカーレットの悪女
ぐりんと勢いよく振り返ると、志勇は思いのほか至近距離にいて驚いた。


剛さんは「言わんこっちゃない」とため息をついていたけど、ちゃっかり壱華の肩に手を回している志勇を見て闘争心がメラメラ燃えた。



「短くない!30cm以上身長差あるんだから足の長さ違って当たり前じゃん!」

「今日も今日とてよく吠えるなお前は」



184cmもある志勇からしたら、私なんて確かにちびっ子扱いだろう。


いつもみたくからかってきたけど、今日の私は特に虫の居所が悪いんだ。


お姉ちゃん離れができてないと言われればそれまでだけど、見せつけるようにキスマ付けやがって許すまじ。
< 236 / 807 >

この作品をシェア

pagetop