スカーレットの悪女
「……志勇なんて大っ嫌い」

「お前に嫌われても痛くもかゆくもねえよ」

「私が嫌いになったら壱華も自動的に嫌いになるんだから!」

「はっ、そうかよ」



顎をくいっと上げて笑う志勇は、肩に置いていた手を壱華の腰に移動させて抱き寄せる。



「壱華はお前が思ってるよりよっぽど俺のこと好きだけどな」

「一番は私なの!」



志勇が彼氏アピールしてきたから、私は反対側の腕に抱きついて妹アピールをした。


妹と彼氏にサンドイッチにされて、壱華は迷惑がるどころか“2人ともかわいい”とでも言いたげにニコニコ笑って幸せそうだった。
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