スカーレットの悪女
「司水は知ってんのか」

「うん、事前に紹介したよ。今から憂雅くんに会いに行く」

「お前みたいにぶっ飛んでる女なら、憂雅に悪影響だからやめとけ」

「なんなの志勇!デリカシーのない発言しか出来ないわけ!?……ん?」



腹立つ発言を受けて壱華に叱ってもらおうと企んだけど……志勇、今なんて言った?


ひょっとして凛のこと女の子だと思ってる?



「なんだよ急に変な顔しやがって。行くならさっさと行け」



道理で壱華がいるのにリアクションが薄いなと思った。


なるほど、男なら誰彼構わず嫉妬するのに珍しいと思ったら、女子と勘違いしてたわけね。


確かに圧倒的透明感のショートヘアな女の子、って感じだもんね。



「はいはい、言われなくても行きますよ。壱華、ちょっと待っててね。すぐ戻るから」



おもしろい勘違いをしてくれたから後で利用させてもらおう。


私は凛太郎を連れて本家の玄関から中にお邪魔した。
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