スカーレットの悪女
「なんなんすか実莉さん……よく噛みつけますねあんなおっかない人に」



志勇が見えなくなってから、凛太郎はおっかなびっくり話しかけてきた。


確かに疑問に思うよね。若頭の女でもないのに態度はでかいし勝手に本家に出入りしてるし。



「もうね、慣れよ慣れ」

「慣れないですよ……理叶さんも威圧感半端ないけど、あの人は格が違う」



凛太郎は初めて会った志勇にビビっている。


かと思えば、後ろを歩いていた凛太郎が私の隣に来て、歩きながら顔をじっと見つめてきた。


ん、どうしたんだろう真面目な顔して。
< 240 / 807 >

この作品をシェア

pagetop