スカーレットの悪女
すると志勇は私の後ろにいた壱華に近づき、透き通るような色白の頬に手を伸ばして触れる。


壱華はその瞬間に顔をほころばせ、安心したように笑う。


壱華、超綺麗……恋してる乙女って普段の何倍もかわいく見えるから、相乗効果で輝いて見える。


と同時に、壱華もすっかり志勇のことが好きなんだと思うと、ほんの少しさみしくなった。



「じゃあな壱華。日が落ちる前には迎えに来るからそれまでに帰ってこいよ」

「はい、いってらっしゃい。
颯馬さんも剛さんも、お気をつけて」

「はい、行って参ります」

「ありがとう壱華ちゃん、頑張ってくるね」



壱華はすっかり剛さんや颯馬と打ち解けたらしく笑顔で挨拶をしている。


剛さんときっちりお辞儀をして返事をし、颯馬はウインクをしてチャラついている。


あーあ、志勇の前でそんなことしちゃっていいのかな。
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