スカーレットの悪女
忍び寄る魔の手
お茶出しの後は、念願の壱華とのデート。
力さんに車を出してもらって少し遠出をして、ショッピングモールで思う存分姉妹の時間を満喫した。
本家を出たのは10時過ぎだったから、日が暮れるまでは8時間以上あった。
でも久々の壱華とのデートは楽しくて、あっという間に終わってしまった。
「やだー、帰りたくない。力さん迂回してよ」
「バカヤロウ、そんなことしたら俺の首が物理的に飛ぶぞ」
「怖いこと言わないでよ、壱華びっくりしてるじゃん」
帰りの車の中で冗談を言ったつもりが、力さんが険しい顔をして答えるから壱華とふたりして驚いた。
「いやいや、力さんも志勇にお気に入り認定されてるんだからそれはないでしょ」
「んなことねえよ、良くてエンコ詰めだ」
「怖いことばっかり言うのやめて。もっとメルヘンなこと言ってよ」
「メルヘンとかけ離れた職種の人間に何言ってんだか」
よほど志勇が怖いのか、最悪の想像ばかりする力さんに私も眉をひそめる。
すると、不意に壱華がクスッと笑った。
あれ、今の会話で笑うところなんてあった?
力さんに車を出してもらって少し遠出をして、ショッピングモールで思う存分姉妹の時間を満喫した。
本家を出たのは10時過ぎだったから、日が暮れるまでは8時間以上あった。
でも久々の壱華とのデートは楽しくて、あっという間に終わってしまった。
「やだー、帰りたくない。力さん迂回してよ」
「バカヤロウ、そんなことしたら俺の首が物理的に飛ぶぞ」
「怖いこと言わないでよ、壱華びっくりしてるじゃん」
帰りの車の中で冗談を言ったつもりが、力さんが険しい顔をして答えるから壱華とふたりして驚いた。
「いやいや、力さんも志勇にお気に入り認定されてるんだからそれはないでしょ」
「んなことねえよ、良くてエンコ詰めだ」
「怖いことばっかり言うのやめて。もっとメルヘンなこと言ってよ」
「メルヘンとかけ離れた職種の人間に何言ってんだか」
よほど志勇が怖いのか、最悪の想像ばかりする力さんに私も眉をひそめる。
すると、不意に壱華がクスッと笑った。
あれ、今の会話で笑うところなんてあった?