スカーレットの悪女
「私には横暴な王様にしか見えないんだけどマジ?むしろ嬉しそうに尊厳破壊してくるじゃん」

「ふはっ……ああ、すみません。志勇相手に際どい発言ができる実莉さんも中々ですよ」



私の発言を受けて、憂雅くんを抱っこしていた司水さんが吹き出した。


際どい?私の大事なお姉ちゃんを独占してるんだからこれ位の影口かわいいもんでしょ。



「まああいつ、二重人格疑うくらい壱華の前では別人だからね。壱華以外には超ひねくれてるしわがままもいいところよ」

「誰が超ひねくれた二重人格だって?」



眉間にしわを寄せて憎き志勇について語っていると、ここにいるはずのないヤツの声が聞こえた。



「し、志勇!?なんでここに!!?」



振り返れば、不機嫌そうに顔をしかめる志勇がこっちにずんずん歩いてきていた。


私はとっさに壱華の後ろに隠れて志勇の動向を伺った。
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