スカーレットの悪女
「実莉さん、大丈夫ですか!?」
「凛……」
呆然とその場に座り込んでいたその時、突き飛ばした凛太郎が駆け寄ってきた。
「座り込んでる場合じゃないですよ、早く中に入りましょう」
「その、腰が抜けちゃって……」
私の腕を引っ張ってきたけど、いくら足に力を入れても立ち上がれない。
「実莉、抱えるからじっとしてろ」
「え、ちょっと……うわっ!」
見かねた剛さんが私を俵抱きして肩に担ぐ。
一気に目線が高くなって視界が激しく揺れる。
その不安的な視界の中で、心配する凛太郎の顔と、もはや動かなくなってしまった襲撃者の姿が視界に映る。
壱華を救い、神木兄弟を助けられた。
そのはずなのに釈然としないのはどうしてだろう。
私は複雑な心境で本家に戻り、恐怖心を分散させるように壱華としばらく抱き合っていた。
「凛……」
呆然とその場に座り込んでいたその時、突き飛ばした凛太郎が駆け寄ってきた。
「座り込んでる場合じゃないですよ、早く中に入りましょう」
「その、腰が抜けちゃって……」
私の腕を引っ張ってきたけど、いくら足に力を入れても立ち上がれない。
「実莉、抱えるからじっとしてろ」
「え、ちょっと……うわっ!」
見かねた剛さんが私を俵抱きして肩に担ぐ。
一気に目線が高くなって視界が激しく揺れる。
その不安的な視界の中で、心配する凛太郎の顔と、もはや動かなくなってしまった襲撃者の姿が視界に映る。
壱華を救い、神木兄弟を助けられた。
そのはずなのに釈然としないのはどうしてだろう。
私は複雑な心境で本家に戻り、恐怖心を分散させるように壱華としばらく抱き合っていた。