スカーレットの悪女
神木兄弟が抱き合っている姿を見て、本当に大事に至らなくてよかったと安心した。


同時に気が抜けて、私は理叶と光冴と一緒にご飯を食べたあと、縁側に座って月を眺めていた。


今日は満月で月明かりが綺麗だ。


頬を撫でる生暖かい風も、生きている心地がして今は気持ちいい。



「実莉、そこ暑いだろ。中入れよ」

「ちょっとぼーっとしたい気分で」



後ろから理叶が声をかけてきたけど、少しひとりになりたい気分だったからそこに居座り続けた。


すると、理叶と光冴は私の両隣に少し距離を保って座った。


見守ってくれているのは分かるけど落ち着かなくて、手首につけた壱華にもらったブレスレットを触りながら夜空を眺める。


ところが、プチッと何かがちぎれる音がしたかと思うと、ブレスレットのゴム紐が千切れてしまったことに気が付いた。
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