スカーレットの悪女
でもいつまでも涙が途切れなくて、どうしたらいいか分からない。



「泣き止まないなら、またサンドイッチにしてやろうか?」



とその時、光冴がにやりと笑って提案をしてきた。


また胸筋サンドをする気?あれめちゃくちゃ苦しかったんだから!



「それは結構です」

「そこははっきり断るのかよ」



嗚咽がからんで苦しいのに、その発言だけ流暢に喋ることができたものだから理叶は目を丸くした後笑った。


穏やかな空気が流れて、やっぱりこの3人でいることが一番気楽かもしれないと思った。


理叶と光冴とはずっと友達でいられたらいいな。


そんなたおやかな願いを胸に、私は「ありがとう」と2人に告げた。
< 298 / 807 >

この作品をシェア

pagetop