スカーレットの悪女
3日後、荒瀬に襲撃をかけた少年の正体が発覚した。


彼は、黒帝の傘下『ファントム』の暴走族の総長でまだ16歳だった。


その少年は原作ならば、極山に利用され、5か月後に理叶と光冴を狙撃して重傷を負わせるはずの少年だった。


そして彼は、理叶が特にかわいがっていた中学校時代の後輩だった。


それを聞いてショックを受けたのは理叶だけではなく、黒帝のメンバーも同じだった。


黒帝の裏に荒瀬がついていたに関わらず極山に狙われた。


つまり次は自分の白羽の矢が立つのでは、そんな憶測が立って黒帝を抜けた子達もいる。


当の本人はなぜ犯行に及んだのか語ることなく亡くなってしまった。


それは荒瀬による暴行のせいではなく、急性薬物中毒に陥っていたことが原因だった。


志勇が言うには、鉄砲玉にされる直前に、正気を失わせるために薬物を打たれたんじゃないかって。


その事実は黒帝により一層の衝撃を与え、不安が蔓延している。
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