スカーレットの悪女
「みのりちゃんって言うんだ、可愛いね。高校生くらい?」

「はい、高校1年生です」

「あたしは涼、理叶の姉よ。よろしくね」

「涼さん、よろしくお願いします!」

「やだ、笑顔も可愛い!」



満面の笑みでうなずくと、グラス片手に抱きしめられた。


ふふん、どうよこの完璧なスマイル。


壱華ほどじゃないけど、実莉の顔だって可愛いんだ。


だって本来なら、男を惑わせて操るくらい容姿がいい設定なんだから。



「理叶、こんな可愛い子が友達ならなんでもっと早く紹介してくれないの?
私だって女の子の友達欲しい」

「こうやって騒がしくなると思ったから紹介しなかった」

「騒がしいなんて失礼な。ねえ、光冴」

「うーん、俺に同意を求めないでくださーい」



驚いた。涼さんがいるだけで雰囲気が明るくなる。


さすがヤクザのお嬢。


姉御肌でかっこいい彼女は、傷ついたシンデレラを癒した心優しき人。


もしかしたら私たちのことを助けてくれるかもしれないし、仲良くしておいて損はない。


私は全力で仲良くしようとアプローチをかけることにした。
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