スカーレットの悪女
「実莉、今いいか?」



そんな中、私は理叶に呼ばれて理叶の部屋を訪れた。



「どうしたの」

「話を聞いてほしかった」



覇気のない理叶の声に、私は胸がしめつけられそうだった。



「いいよ、話ならいくらでも聞くから」



私はソファに座る理叶の隣に座り、その鬱屈とした光のない目を見つめた。



「実は、あいつは3月に暴行事件の容疑者として捕まったんだ」

「あいつって、亡くなったあの子のこと?」

「……ああ」



ぽつりと呟くように話を始めたけど、焦点があってなくて不安定なのが伝わった。
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