スカーレットの悪女
「今日はパジャマパーティーしよう!ポップコーン食べながらスクリーンに映画投影して3人で見るの!」

「ふふ、楽しそう」



年相応な笑顔を見ると、杞憂だと信じたい。


だけど実莉は昔から自分を犠牲にして誰かの幸せを願う子だから、この勘はおそらく当たっている。


実莉は幼い時からわたしのことばかり優先する子で、口癖のように「私は壱華を救うために生まれたんだ」って言っていた。


それはきっとわたしに隠された秘密が影響してるんだろう。


でも、今のわたしにそれを知る勇気はない。
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