スカーレットの悪女

車は目的地、実莉が暮らしている潮崎組の本家へ到着した。


「涼ちゃん、壱華連れて帰ってきたよ！」なんてはしゃいで飛び出していった実莉の後ろ姿にくすっと笑いながら、運転手の人に挨拶をして車を降りる。


1週間分の荷物を詰め込んだボストンバックを肩にかけて、老舗旅館のような日本家屋の玄関に入ると、玄関に数人の男女が立ってわたしを待ち構えていた。


そこにいたのは涼と実莉、そして金髪と赤髪の青年。


彼らが実莉の友達だという『理叶と光冴』か。


以前見せてもらった写真よりかなりイケメンで驚いた。


身長も高いし、暴走族をまとめているツートップとだけあって威圧的な雰囲気だ。