スカーレットの悪女
「理叶、光冴、改めて紹介するね。超絶美人なお姉ちゃんの壱華だよ！」

「はは、いつもに増してテンション高いな」

「実莉、理叶の服が伸びるからちょっと落ち着こっか」



恥ずかしい紹介の仕方をされて困ったけど、彼らは実莉の扱いに慣れているらしく笑顔で対応していた。


理叶さんは袖を引っ張られているのに嬉しそうに笑って、光冴さんはまるではしゃいでるワンちゃんをなだめるように実莉の頭をなでる。


やけに浮き足立ってる実莉だけど、はしゃぐのは心を開いて自然体でいられる証拠だ。


この3人には信頼関係があるのだと知った。



「実莉がお世話になってます、姉の壱華です」


ひと安心して彼らに挨拶して笑いかける。すると彼らは目を見張った。


「おぉ、全然似てない……」

「第一声がそれ！？」


理叶さんは何も言わなかったけど、代弁するように光冴さんが口を開く。


すかさず実莉がツッコミを入れてると、それまで静観していた涼が「タイプ違うけど美人姉妹でしょ？」と得意げに笑った。
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