スカーレットの悪女
「えっ!!?」



涼の口からとんでもない質問が繰り出された。


まさか健全な女子会でそういった話題が出てくると思わなくて、大きな声を上げてしまった。


するとそれまでにこにこしていた実莉の表情筋が急に作用しなくなって、無表情で目だけ見開いた。


こ、怖いよ実莉。私まだ何も答えてないのに。



「なんで、そう思ったの?」

「いや、颯馬がそんなこと言ってた気がしたから。『本家に泊まった日からやけに兄貴ご機嫌なんだよね。あれ絶対やることやってるわ』って」


結論から言うと、颯馬さんの勘は当たっている。


確かに私は、あの事件があった日の夜に初めて志勇に体を許した。


慣れない本家の離れの一室で、不安から逃れるようにベッドの中で触れ合っていたらそういう雰囲気になってしまって、結局最後までしてしまったなんて口が裂けても言えない。
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