スカーレットの悪女
「みーちゃん落ち着いて!」

「嘘でしょあのドスケベオオカミ。私がいたから逆に刺激しちゃったってこと?
最近志勇が勝ち誇った顔してくるのってそういうことか……はああ!?むっかつくんですけど!」


今度がぬいぐるみの首をっぎゅーっと絞め、それから「ううぅ……」と低く唸る。


実莉は私が怒ったら怖いっていうけど、うさぎみたいな見た目で突然野性味のある猛獣みたいになる実莉もかなり怖い。


「ご、ごめんね……」

「ううん、壱華が悪くないよ。問題はあいつよ!不安な壱華に付け込んでやることちゃっかりやりやがって!」

「でも……流された私も悪いから」

「くっそーあの野郎……そもそも本来なら9月のはずなのに……」



なんとかなだめようとしたけど、発言の違和感が気になってはたと動きを止めた。


『本来なら』って、どういうこと?
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