スカーレットの悪女
実莉は「子ども扱いしないでよね!」と頬を膨らませていた。


だけど私は違和感を覚えて、理叶さんの後ろ姿を眺めていた。


あの人、実莉の前では自然体だけど、得体のしれない怖さがある。


志勇とは違う類の恐怖だ。なんというか、優しさを取り繕ってる感じが恐ろしい。



「壱華、どうしたの?」

「ううん、なんでもないよ。実莉に友達がいてよかったと思って」

「友達ってより、手のかかる妹扱いされてるけどね」



実莉は勘のいい子だけど、理叶さんの違和感にか気がついてないみたい。


やっぱりいろいろ考えすぎかな。今はとにかく楽しいことだけ考えよう。
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