スカーレットの悪女
「見たまえ」

「あ?」

「今年は壱華にネックレスもらったの。超かわいいでしょ」



準備を済ませた私は、壱華にもらったプレゼントをさっそく志勇に自慢した。


今年はゴールドのチェーンにドロップ型の“サンストーン”のネックレスをもらった。


その名の通り太陽のエネルギーを宿すと言われているパワーストーン。


元気いっぱいな実莉にぴったりだから、と用意してくれたそうだ。



「ああ、さすが壱華だ。いいセンスだな」



それを見た志勇は、悔しがると思ったのにむしろ誇らしげ。



「俺にはいつ作ってくれるんだ?」

「ハイブランドを身に着けてる志勇に贈るのは気が引けるよ」

「そんなこと言うなよ。壱華が作ったことに価値があるんだ」



志勇は壱華が作ったアクセサリーを欲しがってるみたいだけど、残念ながらこれは妹の特権だ。


志勇に向けてニヤリと笑うと「眉毛ねえくせに」なんて意味のわからない文句を言われた。
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